■一歩進んだヌーヴォーの知識■ボージョレ・ヌーヴォーに革命が起きている
昨夜はヌーヴォー解禁パーティーに出かけてきました。
何種類も試しましたが今年の成果は本当に秀逸。
(正直、そうでもない年もありますから)
参加者が異口同音にラパル、コサールなどの自然派を絶賛!
他にはロゼのニュエ、カザル・ヴィエルの南仏ヌーヴォー。
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/22726111.html
2000年以降、ボージョレ・ヌーヴォーに革命が起きています。
先述のジャン・クロード・ラパリュ、フレデリック・コサール、
フィリップパカレ、ラピエールなどに代表される自然派生産者達の新酒。
農薬・化学肥料・培養酵母・濾過・酸化防止剤添加などの人為的工程を排し、
葡萄の力による醸造の不思議なまでの美味しさに気付いた。
(コサールなどは要冷蔵…驚きました)
必ずしも体に良いもの=美味しいわけではありませんが、
今年のラパリュ・コサールを体験すると、そうだと思わざるを得ません。
革命というより原点回帰なのでしょうか。
新酒を飲むこと自体は中世から続くようで、現在のような技術が
開発される以前は、新酒が最も美味しいワインだったそうです。
販売が加熱し始めたのは1960~70年代頃。
お祭りですから、新酒でさえあれば何でも売れ、生産力のある企業は
さらなる利益を得るべく量産に励みます。
技術革新が進んだ到達点が大量生産・均質化・工業化…
2000年頃までは「フルーティ・バナナ香・渋みなし・酸味」こそがボージョレ・ヌーヴォーでした。
それが今や賛否両論なのだから時代は急変するもの。
(否定も肯定もしませんが、確かに毎年あの味だと飽きるかも)
現代はヌーヴォーの過度期にあるのではないでしょうか?
もしかしたら、近い将来に巨大企業さえ自然派に転じるかもしれません!?
(さすがに無理がある?)
フランス国内でも、大手メーカー離れが加速しているそうで、
パリの「カーヴ・オジェ」「ラヴィニア」などのセレクトショップでも
自然派ワインの売り場から完売していくそうです。
(現地でさえ決してお求めやすい価格とはいえません)
人が求めているものは多様。
大量に造って、華美なラベルを貼って「さぁ、買って」というものに
NOという消費者が増え、賢くなっている。
酒屋として日々、勉強しなければ。
あとがき
今更ですがボージョレ・ヌーヴォーの説明を。
「ボージョレ」は地区の名前で、フランス東部、ブルゴーニュ地方にあります。
「ヌーヴォー」はフランス語で「新しい」「新酒」の意。
つまり、ボージョレ地区の新酒という事です。
解禁日を設定したのは、早く販売して儲けようとする業者の
フライングからヌーヴォーの品質を守るためです。
(熟していない「酸味の強い若い葡萄」から良いヌーヴォーは生まれず、
全体として評判の下降に繋がる)
かつては11日に解禁日を固定していましたが、
年によっては、土日と重なり運送業者が休むため、売り時を逃す事となりました。
そこで1984年から、11月第3木曜解禁ということになったのです。
★一歩進んだヌーヴォーの知識★
●葡萄品種は「ガメイ」で、香りが良く渋みの少ない葡萄と
思われがちですが、本当はタンニンの多い葡萄です。
●製法は「マセラシオン・カルボニック(★MC法)」、
収穫後の破砕を行わないので、タンニンが少なくなり、
炭酸ガスによって酸化が防止され、ワインがフルーティーになる。
●MC法(★)を採用しない生産者もいます。
個性が感じられタンニンもあり、味わい深いのですが、
どちらが良いかではなく、好みの問題でしょう。
●普通の赤は冷やしすぎるとタンニンの渋みが強くなりますが、
ヌーヴォーの場合、渋みが少ないので、10~12度くらいが美味しい。
●料理は軽めの肉料理、すき焼き、クセのないチーズ、生ハムなどが良いでしょう。
●渋みがない分、冷蔵しないと劣化も早いです。
特に自然派生産者の作品は無濾過であることが多いので、
購入後はお早めにお愉しみください。
★MC法
20~30度で1~3日間、蓋をし葡萄の発酵で発生した炭酸ガスを充満させる。
ボンベの炭酸ガスを5g/hl位注入し、30~35度で8日間以上も浸漬する生産者もある。
炭酸ガス浸漬といい、葡萄粒に含まれるリンゴ酸が分解され、酸味が減少する。
(マロ・ラクティック発酵と違い、乳酸が生成されない)
余談ですが、「ボージョレ」か「ボジョレー」か気になる方は多いはず。
三省堂クラウン仏語辞典では「Beaujolais:ボージョレ地方」となってましたので
当店では素直に従っております。
どちらでも構わないのでしょうが、一般的には「ボジョレー」のほうが発音しやすいんでしょうね。
現地フランス語に堪能な方、是非とも教えてくださいm(_)m
何種類も試しましたが今年の成果は本当に秀逸。
(正直、そうでもない年もありますから)
参加者が異口同音にラパル、コサールなどの自然派を絶賛!
他にはロゼのニュエ、カザル・ヴィエルの南仏ヌーヴォー。
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/22726111.html
2000年以降、ボージョレ・ヌーヴォーに革命が起きています。
先述のジャン・クロード・ラパリュ、フレデリック・コサール、
フィリップパカレ、ラピエールなどに代表される自然派生産者達の新酒。
農薬・化学肥料・培養酵母・濾過・酸化防止剤添加などの人為的工程を排し、
葡萄の力による醸造の不思議なまでの美味しさに気付いた。
(コサールなどは要冷蔵…驚きました)
必ずしも体に良いもの=美味しいわけではありませんが、
今年のラパリュ・コサールを体験すると、そうだと思わざるを得ません。
革命というより原点回帰なのでしょうか。
新酒を飲むこと自体は中世から続くようで、現在のような技術が
開発される以前は、新酒が最も美味しいワインだったそうです。
販売が加熱し始めたのは1960~70年代頃。
お祭りですから、新酒でさえあれば何でも売れ、生産力のある企業は
さらなる利益を得るべく量産に励みます。
技術革新が進んだ到達点が大量生産・均質化・工業化…
2000年頃までは「フルーティ・バナナ香・渋みなし・酸味」こそがボージョレ・ヌーヴォーでした。
それが今や賛否両論なのだから時代は急変するもの。
(否定も肯定もしませんが、確かに毎年あの味だと飽きるかも)
現代はヌーヴォーの過度期にあるのではないでしょうか?
もしかしたら、近い将来に巨大企業さえ自然派に転じるかもしれません!?
(さすがに無理がある?)
フランス国内でも、大手メーカー離れが加速しているそうで、
パリの「カーヴ・オジェ」「ラヴィニア」などのセレクトショップでも
自然派ワインの売り場から完売していくそうです。
(現地でさえ決してお求めやすい価格とはいえません)
人が求めているものは多様。
大量に造って、華美なラベルを貼って「さぁ、買って」というものに
NOという消費者が増え、賢くなっている。
酒屋として日々、勉強しなければ。
あとがき
今更ですがボージョレ・ヌーヴォーの説明を。
「ボージョレ」は地区の名前で、フランス東部、ブルゴーニュ地方にあります。
「ヌーヴォー」はフランス語で「新しい」「新酒」の意。
つまり、ボージョレ地区の新酒という事です。
解禁日を設定したのは、早く販売して儲けようとする業者の
フライングからヌーヴォーの品質を守るためです。
(熟していない「酸味の強い若い葡萄」から良いヌーヴォーは生まれず、
全体として評判の下降に繋がる)
かつては11日に解禁日を固定していましたが、
年によっては、土日と重なり運送業者が休むため、売り時を逃す事となりました。
そこで1984年から、11月第3木曜解禁ということになったのです。
★一歩進んだヌーヴォーの知識★
●葡萄品種は「ガメイ」で、香りが良く渋みの少ない葡萄と
思われがちですが、本当はタンニンの多い葡萄です。
●製法は「マセラシオン・カルボニック(★MC法)」、
収穫後の破砕を行わないので、タンニンが少なくなり、
炭酸ガスによって酸化が防止され、ワインがフルーティーになる。
●MC法(★)を採用しない生産者もいます。
個性が感じられタンニンもあり、味わい深いのですが、
どちらが良いかではなく、好みの問題でしょう。
●普通の赤は冷やしすぎるとタンニンの渋みが強くなりますが、
ヌーヴォーの場合、渋みが少ないので、10~12度くらいが美味しい。
●料理は軽めの肉料理、すき焼き、クセのないチーズ、生ハムなどが良いでしょう。
●渋みがない分、冷蔵しないと劣化も早いです。
特に自然派生産者の作品は無濾過であることが多いので、
購入後はお早めにお愉しみください。
★MC法
20~30度で1~3日間、蓋をし葡萄の発酵で発生した炭酸ガスを充満させる。
ボンベの炭酸ガスを5g/hl位注入し、30~35度で8日間以上も浸漬する生産者もある。
炭酸ガス浸漬といい、葡萄粒に含まれるリンゴ酸が分解され、酸味が減少する。
(マロ・ラクティック発酵と違い、乳酸が生成されない)
余談ですが、「ボージョレ」か「ボジョレー」か気になる方は多いはず。
三省堂クラウン仏語辞典では「Beaujolais:ボージョレ地方」となってましたので
当店では素直に従っております。
どちらでも構わないのでしょうが、一般的には「ボジョレー」のほうが発音しやすいんでしょうね。
現地フランス語に堪能な方、是非とも教えてくださいm(_)m