vintagewinesのブログ

歳を重ねたワインが大好きです(^^)

スペインワイン会

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今日はホットトットクラブさんでスペインワイン会の
お手伝いをさせて頂いたのですが、とにかく楽しかったですね。

今回は店側が殆ど参加者を募られ、ほぼ満席。
マスターに変わって皆さんへ厚く御礼申し上げます。
(席に余裕があればウチのお客さんも誘いたかったな…)

さて、自分もまだ酔いの名残を残しつつBLOGを記してます。

本当はスペインワインの略歴とワインリストも用意していたのですが、
あれだけ盛り上がっていては、口頭で簡単な説明するので充分。
(気軽な会なので、説明は求められた時にする程度)

美味しいワインとチーズ。何より美味しい会話。
ワイン話も好きですが、最後は薀蓄より脱力系の話が楽しい。

その代わり、このBLOGに内容をアップしておきますね。


スペインワイン略歴

●紀元前500年まで
スペイン東海岸全域は古代ギリシャ人たちによって支配。
祖国から葡萄樹と技術を運んできました。スペインワインの始まりです。

●紀元前100年
ローマ帝国イベリア半島を征服した時、既に地域産業として栄え、
ヴェニスジェノヴァの商人によって帝国領土内に流通、評判を呼ぶ。

●711年 
イスラム教徒のイベリア半島侵略、飲酒を禁じる戒律をもつ彼らによって
多くの畑が破壊されるも、いくつかのぶどう園は破壊を免れた。
戒律を厳しく遵守するイスラム教徒も、ワイン益を無視はできない。
しかし、征服直後にキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)が
始まり、イスラム教徒は次第に南へ押し戻されていきました。

●11世紀後半 
北部にキリスト教王国が誕生し、キリスト教徒の再殖民でぶどう畑も再興。

●15世紀末
レコンキスタ終了時に大航海時代の幕開け。スペインは大海に乗り出し、
広大な国土を誇る。南東部沿岸はワイン貿易で繁栄。

●16世紀以降
各国の貿易商たちはスペインワイン、特にイベリア半島南部のワインに興味を示す。
英国商人は特権商人として保護を受け、スペイン南部の地方都市に居住、
以来、今日まで、英国はスペインワインの重要な取引先となりました。

●19世紀後半
フランスでフィロキセラ害虫が発生して、ぶどう園は壊滅状態となり、
打撃を受けた多くのワイン生産者や業者は国境を越えてスペインへと流入
高度な技術は近代化をもたらしたが、フィロキセラは南下、
スペインの広大な産地にも害が頻出。
被害が広がると同時に、フィロキセラ対策
アメリカ産ぶどうの樹への接ぎ木)が発見された。

●20世紀初頭
フィロキセラを克服後、政治を反映し輸出は大幅に落ち、国内市場で取引きされる。

●1950~1960年
内戦で疲幣した農業再建。各地に組合が作られる(需要を満たす量供給が目的)
育てやすく大量の実をつける品種が好まれ、栽培が広がりました。

●1970年代
鎖国状態から抜け出したことによって、質を重視する方向に大転換。

●1980~1990年
無名だったプリオラート、リアス・バイシャス、ラ・マンチャなど各ワイン産地に
素晴らしいワインが生まれるようになり、世界の注目を集めるようになった。

●21世紀
黄金期を迎える。世界を旅して醸造を学んだ新世代による
「スーパースパニッシュ」が 誕生し、業界が熱い視線を送っている。


今回のお品書き

ペネデス地方 ●グリモウ・ファミリア・レゼルヴァ
自社葡萄園で丁寧に収穫された地元品種のシャレロ、マカベオ、
パレラーダにシャルドネブレンド、きめの細かいクリームのような泡、
長期熟成に由来する複雑でデリカートな酸味は極上のカーヴァならでは。
生産量約5000本のみの稀少品。

フミーリャ地方 ●ボデガス・アガピト・リコ カルチェロ・ティント・フミーリャ 
モナストレルは酸化品種といわれますが、MCを行うことによりこの酸化を押さえ、
芳醇なアロマを維持。メルローブレンドにより、安定感と熟成力を与えています。
ジューシーでブラックチェリーの香りをもつミディアムボディのワイン。
この地方を代表するワインで『ワールド・アトラス・オブ・ワイン』にも載っています。
品種モナストレル50%、メルロ20%、テンプラニーリョ30%。
(モナストレルはムールヴェドルのことです)

ヴァルデペーニャス地方 ●ヴィエホ・マルシャンテ・グラン・レセルヴァ 1996
古酒天国のスペインからお宝を紹介します。
完熟フルーツ、スパイスなどのニュアンスを感じ、グランレセルヴァ
(樽2年+瓶3年の熟成が必要)のまろやかで複雑さのある味わい。
品種 テンプラニーリョ100% ミディアムボディ 

ドミニオ・デ・ヴァルデプサ地方(新DO)●マルケス・デ・グリニヨン・シラー 2001
スペイン王家の血を引く家柄のワイナリー。
ワイン・スペクテーター誌にて12500本中、年間36位に選ばれました。
肉厚のブルーベリー・さくらんぼのような圧倒的な果実感。
チョコレート・バニラのニュアンスもあり、今すぐ愉しめ、10年熟成も可能でしょう。
余談ですがワイン・スペクテーター誌で94点(「グランジ」に匹敵する高評価)
獲得後、欧米で¥1万前後の価格が付き、現在入手困難。品種シラー100%

リベラ・デル・デュエロ地方 ●フロール・デ・ピングス 2003
ウニコと隣接し、ウニコを越えた!といわれる
スーパー・スパニッシュ「ピングス」のセカンド。
(「ピングス」は畑もヴェガ・シシリアに隣接し¥48000が相場)

デンマークからこの地に魅せられたピーター・シセック氏がやってきたのが1990年。
わずか数年で旧態依然とした業界に風穴を開けました。
狂気のヴィンテージ2003年。カシス・スモーク・エスプレッソなど
複雑な香りと甘いタンニン。飲み頃はまだ先で、
今なら時間をかけて飲むべきワイン。
品種テンプラニーリョ100% パーカー93~95点 

ヘレス地方 モンティニャ・モリレス ●トロ・アルバラ「ドンPX・グランレゼルバ1971」 

スペイン国宝と呼ばれ、伝統製造と保存に貢献した農園。
リスクの高いPX製法を続けた努力が実り、スペインで権威ある名を誇っています。
最高品質のペドロ・ヒメネスをオーク樽で数十年熟成されました。
少なくとも25年以上経過したものがヴィンテージを名乗ることを許され、
通常のものは年号表記ができません。
マホガニー色を帯び、キャラメルのような甘みと苦味をもち、
爽やかな酸も備えた最高級シェリー。
品種ペドロ・ヒメネス100% ワイン・スペクテーター93点


今回の一番人気
マルケス・デ・グリニョン・シラー 2001
二番人気
●ヴィエホ・マルシャンテ・グラン・レセルヴァ 1996