vintagewinesのブログ

歳を重ねたワインが大好きです(^^)

断食中に飲むビール

ドイツでは断食中に飲むビールがありました。
断食なのにイイの…??

断食中の栄養補給のため高度数&高カロリー、
栄養価も高い強い「ボック」というスタイルのビールは
飲むことを許可されていたのです。

ニーダーザクセン州アインベックが発祥の地で、後にバイエルン地方にも広がりました。
ボックは牡山羊の意で、強さの象徴でありラベルにも度々使用されます。

キリスト教四旬節、灰の水曜日(信仰心のシンボルとして額に灰をつける儀式)と呼ばれる
40日間の断食苦行を耐え抜くために、修道士達が醸造したビールです。

現在は風物詩として寒季~春に飲まれ、本当に断食する人は殆どいません。
ボックには上面発酵のヴァイツェン・ボック(小麦)、下面発酵のドッペル・ボック
5月に醸造されるマイ・ボックがあります。

オクトーバーフェスト公式醸造所の一つ「パウラナー」は、
通常の8倍近く麦芽を使用した濃厚なスタイル「ドッペルボック」を生み出しました。
英語ではダブル・ボックですが、ボックの二倍度数が強いわけではありません。

「ドッペルボック」スタイルの銘柄名は、ラテン語で「人」を表す語尾
「-ator」が付随するものが多く、このパウラナー社のSalvator(救世主)が有名です。
(英語のSalvation=救済は洋楽において頻出単語ですよね)

なお、ドッペルより強いのがEisbock(アイスボック)。
麦汁を冷凍しエキス分を取り出すため、アルコールの濃縮されたビールになるのです。
名高き逸品は「アヴェンティヌス・アイスボック」↓
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/29453571.html

余談ですが、ボックといえばドイツ・フランケン地方には
「山羊のキン●マ」という意の「ボックス・ボイテル」というワイン瓶があります。
まじまじと山羊の股間を凝視したことはありませんが、似ているのでしょうか??

ドイツの山羊は何かとアルコールに絡んできますねぇ。