vintagewinesのブログ

歳を重ねたワインが大好きです(^^)

ベルギービール ヒューガルデン・ホワイトとピエール・セリス

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今でこそ有名なヒューガルデン・ホワイトですが、
復活の立役者であるピエール・セリス氏を御存知でしょうか?

ヒューガルデン村には1453年に初醸造された個性的なレシピの
ホワイトビールがあり、かつて35の醸造所があったようですが、
さっぱりしたピルスナーの流行と戦争などで村には醸造所が残りませんでした。

それを復興させたのが元牛乳屋のピエールでした。
レシピは残っていなかったにも関わらず、若い頃トムシン醸造所で見習いとして
手伝っていたセリス氏は、原材料を覚えていました。
ホワイトビールに一生を捧げた、近世「ホワイトビールの父」といってもいいでしょう。

略歴 
1925年 Pierre Celis誕生。
1966年 デ・クライス(De Kluis)醸造所を興す。
1985年 醸造所が火事で焼失。ステラ・アルトワ醸造所に救済を申し出る。
1987年 ステラ・アルトワ醸造所に買収される。(その後インターブリューとなり、
現在インベヴ傘下=世界第一位の生産量を誇る大会社のブランドです)
1989年 ヒューガルデン醸造を引退。(大資本の論理についていけなかったのか…?)
1992年 渡米しテキサス・オースティンにセリス醸造所を設立。
1995年 セリス醸造所をミラー社が買収(5年後に閉鎖となりました)
2000年 ベルギーに帰国。醸造再開するも、またハイネケンからの買収に遭う。
2002年 米国ミシガン・ブルーイング、ベルギーのヴァン・ステーンベルヘにて復活。
醸造所を所有せず、新レシピをSt.ベルナルドス醸造所とWitbierを開発。
2007年 現在82歳

こう見ると買収との闘いのような気もしてきますね…
セリス氏は現在のビール会社再編の動きをどう思っているでしょうか。

~ベルギー フラマン・ブラバント州 インベヴ社~
InBev (インベヴ)は2004年にベルギーのInterBrew社とブラジルのAmBev社の合併により誕生。
(InterBrewは1988年、Artois と Piedboeuf(Jupiler) の吸収合併により設立)
アジア・ヨーロッパ・南北アメリカに多くの系列企業を持ち、所有ブランドは
ブラジル・ブラーマ(BRAHMA)カナダ・ラバット (Labatt) 英国・バス (bass)
ドイツ・ベックス (Beck's)、ベルギー・ヒューガルデン (Hoegaarden)レフ(Leffe)
韓国・OB など。提携先は米国・アンホイザー・ブッシュなど。
http://www.inbev.com/

Hoegaarden Witbier(ヒューガルデン・ヴィットビア)
まず立ち上るコリアンダーのエキゾチックな香り、
柚子を少しだけかじった時のような柑橘香など薫るビールの代表格。

小麦は、蛋白質含有量が大麦に比し多いため黄金に混じり名の通り、白の色調を帯びています。
泡立ちは小麦を用いたビール特有のクリーミーな泡。やや酸味、スパイシーさを感じますが、
ピルスナーを飲みなれた方でも比較的スムーズなドライさがあります。

WitbierはWhite Beerのフラマン語。元祖・大御所・レジェンダリ…などと形容される
ピエール・セリスが復活させた世界を代表するホワイトビール。
現在では世界50ヶ国あまりに輸出されています。

好相性:白ワインに合う料理。バターを用いた料理。ハーブ料理。スパイシーなチーズ。

※無濾過で瓶詰めされますので酵母・ハーブ・スパイスなどは沈澱し、
上澄みだけがクリアーになり、瓶内の上下で味が異なります。
サーヴ時は、残り僅かのところでボトルを軽く振り、澱も注ぐと官能的な香りが立ち昇ります。

原材料:大麦麦芽50%・小麦50%・ホップ・コリアンダーオレンジピール
アルコール4.9% 適温5~10度(ぬるめで香りと甘味が引き立ちます)
330ml 税込¥368

かつてヒューガルデン村のビールは陶器に注がれるのが慣わしでしたが
ピルスナーのような「美しさ」がないことを隠すための羞恥に起因していたそうです。
(ブリヤさんのブログより)

個人的にコチラはもっと好み。是非とも飲み比べてください。
常陸野ネスト・ホワイトエール↓
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/34765875.html

ヒューガルデンに3リッターの巨大グラスが…
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/34870218.html

余談:正規輸入元の小西酒造では、本社所在地の兵庫県伊丹市とベルギーのハツセルト市の
姉妹都市提携(1985年)を機に、経済交流のため1988年よりビールの輸入販売を開始しました。

10年前から紹介していますが、個性的な味に皆が驚きました。
このビールに関して気になるのはインベヴ社になった頃から香りが控えめな気がする事…
エルディンガーが控えめなヴァイツェンなら、こちらは控えめなベルジャン・ホワイトでしょうか。