vintagewinesのブログ

歳を重ねたワインが大好きです(^^)

ドイツビール ヴュルツブルク ヴュルツブルガー・ホフブロイ エヒター

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ヴュルツブルク(Wurzburg)はドイツ・バイエルン州北部の都市で
ニュルンベルク115キロ北西とフランクフルト・アム・マイン120キロ南東に位置し、
双方からドイツ鉄道(DB)の高速列車ICEで約1時間。

アイルランドから渡来しフランケン地方キリスト教化した
聖キリアン(Kilian)の殉教地として中世より司教領として栄えました。

ロマンティック街道の起点で、世界遺産レジデンツ(Residenz)やマリエンブルク要塞は必見。
ワインではユリウス・シュピタール、ビュルガー・シュピタールなどのフランケンワインが名高い。
(独特のボックス・ボイテル型ボトル)

中世、この地ではワイン生産が目覚しく興隆したのに対し、ビールは劣悪な「まがいもの」が
流通している有り様で1434年には「ビール醸造を永久に禁じる」法令が発布され、
公式にはその後208年もビール受難の時代が続く事になります。

しかし法令発布から数年後に霜などの天災があり、ブドウが壊滅的打撃を蒙りました。
南アルプスからワインを買い入れなくてはならず、必然的にワインの価格高騰を招きました。

これに対し時の支配者は、決定を頑迷に固守したため密造ビールがこの地域に横行したとされています。

結局、この「ビール禁止令」が権力者の手により公式に棄却されたのは
30年戦争(1618~1648)の際、兵士達にビールを供給する必要があったからです。

この地域の司教領主ヨハン・フィリップ・フォン・シェンボルン
(Johann Philipp von Schonborn)が街に醸造所を置くことを決定し、
1643年にヴュルツブルクの武器倉庫内に醸造所が設けられたのが起源です。


ドイツ バイエルン州 ~ヴュルツブルガー醸造所 Wurzburger Hofbrau~

ヴュルツブルグ唯一のビール醸造所であり、フランコニア王子の司教によって
1643年に創設され、360年の歴史を誇ります。
Hofbrau(ホフブロイ)と名乗るだけあり、元々は公営の醸造所。
(ヨーロッパでは、ワインやビールの醸造は寺院の収入源だったりもします)

19世紀にはドイツ中で飲まれ、1887年には早くもハンブルクから
500ml大西洋を越え、米国へと輸出された最初のドイツビールの1つ。

1993年に醸造所の技術革新を行い、品質向上に余念がありません。
現地で乾杯し、その美味しさに感激された方も多いでしょう。

主な作品
Julius Echter Hefe-Weissbier
Julius Echter Hefe-Weissbier Dunkel
Jagdherren Pils
Wurzburger Hofbrau Premium Pilsner
Wurzburger OktoberfestMarzen
Wurzburger Schwarzbier
Sympator Doppelbock

16世紀後半に登場したユリウス・エヒター(1545~1617)は聖職者だけでなく、
領地支配の君主として強大な権力を持っていた英雄。(市内には銅像も建立)
ヴュルツブルク大学の創設者でもあります。

●ユリウス・エヒター ヘーフェヴァイスビア(写真左)
Julius Echter Hefe-Weissbier

バイツェン酵母由来のバナナ香、バタービスケット、
クローブなど享楽的で心が弾む甘い香り。
酵母を濾過しないHefeスタイルゆえに混濁している。

バナナ香は支配的すぎず、舌の上で遊ぶ程度。
フィニッシュはマイン川に昇る朝陽のように爽やか。
料理の相性は幅広いが、とりわけバターを使った魚介料理に最適。

原材料:小麦麦芽・大麦麦芽・ホップ 500ml 税込¥698

●ユリウス・エヒター ヘーフェヴァイスビア ドゥンケル(写真右)  
Julius Echter Hefe-Weissbier Dunkel

ほっこりとした小豆、かすかにチョコバナナ、いやチョコビスケットか…
甘さ控えめのブラウニーのようなコクに満ち溢れ、
酵母を濾過しないHefeスタイルゆえに混濁している。(色はクラウディー・ブラウン)

フィニッシュはマイン川に沈む夕陽のように穏やか。
料理の相性は幅広いが、とりわけシナモンを使った鶏肉料理に最適。

エルディンガーやフランチスカナーの同スタイルと比較するのも興味深い。
原材料:小麦麦芽・大麦麦芽・ホップ 500ml 税込¥698

どちらも小麦を用いたビール「ヴァイツェン」というスタイルで瓶内発酵の
酵母入りヘーフェ・ヴァイツェン酵母を濾過したものはクリスタル・ヴァイツェン)。
製造後、間もないうちは炭酸は弱く甘みを豊富に感じるが、
熟成すると、gassyでキレの良いスタイルになる。

Echterは南部バヴァリアスタイルのビールでありながら
ハンブルクブレーメンなど北部まで供給されている。


ロマンチック街道のワインもどうぞ。
ヴュルツブルク ~ヴュルガーシュピタル醸造所~
http://blogs.yahoo.co.jp/samuchosamucho/33903544.html

一部、ブリヤさんの記事↓をお借りしました。有難うございます!
http://blogs.yahoo.co.jp/brillat_savarin_1